お客さんから連絡先を書いた紙を渡された話。
この話を人にすると、べつにわたしの見た目は美しくなんかないので少し滑稽というか、なんというか、真意が伝わらない気がするのでここで考えさせてください。

わたしはずっと1人でいいと思ってる。
歳をとった時に〜、みたいなことは人に言われるけど、今ここまで強く1人を望んでいたら、もし将来後悔したとしても"あのときはあれだけ1人を望んでたもんな"って納得できると思う。
こんなに1人を望んでいるのは一言でいえばトラウマで、いつまでも引きずってるんじゃないよとか、うじうじしてるんじゃないよって、まわりには思われてるかもしれないけど、夜道で不審者に会ったらずっと夜道が怖いと思う。それと全くおなじなんだよね。ただ怖い。

連絡先を渡されても、ごめんなさいって1番に思った。わたしはあなたが思うような人間じゃないと思うよって、なにか起こる前から、がっかりさせてごめんという気持ちになる。
わたしは他人と将来を考えられる状態にないし(いきなりこんなこと考えるのがそもそも重いんだと思う)、じゃあまあとりあえず、みたいな軽さもない。そもそも知らない人がいきなりわたしの人生に登場してくることへの抵抗感が強い。
そうするとすごく閉鎖的な人生だなって、そんなのいよいよ誰かと暮らすなんて無理じゃんって、あれ、わたし人と暮らしたかったの?ってびっくりした。

人と暮らしたいわけでも、人と暮らしてる人を妬んでるわけでもなく、人と暮らすことを楽しめる人を羨んでるんだと思った。

あー、なんか虚しくなってきたな。

人生は少女漫画ではないし、好きになった人がわたしのことを好きになってくれてめでたしめでたし、なんてことはそうそう起こらない。じゃあ、どんな歩み寄りであろうと近づいてきた人をすべて排除していったらわたしの人生はあまりに孤独なんじゃないか?でもそこまでして恋愛がしたいわけでもないし、いやならいやでいいじゃない、とも思う。

自分のことが嫌いすぎて、どんな人からでも好意が信じられないし受け取れない。わたしにいいところなんかないからって思うし、幻滅されるのは怖い。むしろ自分のこと好きすぎるのかな。大事にはしすぎてると思う。どうせみんなわたしのこと知れば知るほど嫌いになるよ、って諦めとも怯えとも思える気持ちをいつも持ってる。

さみしいという気持ちもたしかに、ある。でもさみしさを癒せるのは自分だけだし他人が近くにいることは怖い。ああなんか、またすべてにごめんなさい、という気持ち。

もらった連絡先に、返さないのも悪い気がするし、その気にさせるのも申し訳ないし、結婚してますとかって嘘つくのも気が咎めるし、まあ結局返さないことにしたんだけど、こうやって奇跡みたいに歩み寄ってくれた人も無理になっちゃうんだな。わたしはずっと、人と暮らすのが無理なままなんだな。ああそっか、それが悲しいんだね。人と暮らせない自分が嫌いなんだね。そっか。

ほんとうは人と暮らしたいと思ってるのかもしれない。無理だから1人を選んでるだけで。本当にひとりが好き。気楽で自由で、人と暮らしたくなんかない。って本気で思ってる自分のことが悲しいんだね。

べつに矛盾する気持ちを抱えたままでもいいと思う。わたしは白黒はっきり、というか、まっすぐでなければと思いすぎてる節がある。一人でいたい、と強く思いながら、それを悲しんでもいい、自分くらい自分のことを許そうと思う。

あーあ、こんな話するつもりじゃなかったのにな。

ほんとうはこの話がしたかったのに。
誕生日おめでとう。